やわらかい

日々、いろいろ、ほそぼそ

引っ越しの話

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数えてみたら、人生で5度目の引っ越しだった。

家族は地元から離れることはなく、私だけが転々と場所を行ったり来たりしている。今、私はちょうど引っ越しの荷出しが終わって、兄の誕生日の日に新幹線に乗った。

 

本当は、帰る前に会いたい人、約束をしていた人、色々なことがあったけれどそれより引っ越し作業が大変なのと、自分に余裕がなくて外に出れる日があまりなかった。

 

引っ越し作業中、ものをポイポイと捨てながら色んなことを考えていた。

本当に必要なものだけを残さなくちゃいけない、その整理整頓の作業は、少しばかり自分の人生の取捨選択に似ているな、と思いながら。

ひとりきりで、いるもの、いらないもの、どうするかの間にあるもの、捨てるにしたって手順がわかれているもの。

孤独だし、私しか判断をくだす人がいなくて、合っているのか間違っているのかもわからないまま、作業は箱を閉じられるところまで延々と。途中、終わりが見えなくて何回か友人に泣きついた。これって本当に終わるの?終わるんです。

 

自分は、色んなもの抱えすぎるタイプだ。大切にしすぎて、自分が思う大切は、人が思っているより何百倍も大きい大切なのだと思う。言葉にする方法がわからなくて、どの言葉もぴったりこなくて、ありきたりに思えて、さら〜っと水を流すみたいに言うことも、本当はすごくすごく重くて一人で運べるようなもんだと思うなよな!!!と心の中でいつも思っている。

 

昨日の夜、実家に着いたのは日付が変わる前だった。晩御飯を食べている暇もなくて、とにかく爆速でお土産を買って、乗り継ぎの一瞬のミスも許されず帰宅した。

母はきつねうどんをサッと作ってくれて、私はチンご飯とおかずの残り物二品、それからデザートまで食べた。父と母は、私がご飯を食べているところを好き勝手に話し、眺めていた。

母も父も、多分私が帰ってきたことが、病気だとか色んなことを抜きにして嬉しいのだろう。私は帰る前、ここに戻ることに抵抗感があって、どうしたものかなあと思っていたのだが、なんとなく、戻るべくして戻ってきたのだという実感がなぜかある。

 

人生に色んなターンがあるなら、今は家族のために何かをしていく時間のような。

今まで何もしてこなかったし、しなくてもいいと思っていたし、でも私が帰ることのできる場所に、結局実家、地元、家族が一つとしてあったわけなのだ。ただ、結局私はひとりの人間で、家族とは別の生き物で、それだけを忘れなければ。

 

免許取りなさいよ、と母から言われている。この年齢でェ?と思いつつ、兄はペーパーだし、母はなんと今日事故をして(自損なので車の後ろがべこーんとなった)なおのこと、このままでいいのか!?がますます強まった。私も欲しいし、まあ、いいか…と思っている。教習所か〜。何か面白いこと起きそうだな。と、そんな期待すらある。

 

なにはともあれ、また新しい生活が始まった。家事はあまりやりたくないのだけれど、「小さな徳を今積んでいます!」と叫びながら、食事の後片付けをしたり、犬の散歩に行ったり、洗濯物を畳んだりしている。家族の生活リズムはぐちゃぐちゃで、みんなに健康にいて欲しい、私にももちろん。

 

なので、なんとか私のために、私の過ごしやすいよう、この家を住みよくしてやるのだと決意している。in 父と犬と三人のリビング。