やわらかい

日々、いろいろ、ほそぼそ

この一年の話

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皆様、年末はいかがお過ごしでしょうか。

前回のお日記より二ヶ月が経過してしまいましたが、謝罪はひとまずおいて、二ヶ月間何とか生きておりましたよというご報告ということで…頼りがないのは元気な証拠!でもそれで本当に頼りがなくなってしまうと怖い話になってしまうこともある。とにかく元気です。

 

年度末というか、今月はとにかく体調というか精神面が不安定で(これもなんかいつものことのように思うものの、何年も前から薄々気づいていたが私は夏の方が元気らしい)ウニョウニョとした布団と半分一体化したような生活をしていたが、ここ三日かけて復活してきた。

でもやはり、家の中で常に誰かが何か話している状況というのはある意味で苦になることもあり、来年はその辺りの環境改善をしていきたいと思っている。

そんなこんなで、年度末をどう締めくくりますかね、と悩んだところ、せっかくなので日記でも書いて仕事納め、ならぬ自分納めをしようということにした。

仕事はある。あるというか…ずっとそうというか…去年の暮れからそういう状態にありがたいことになっている。関係者各位様、原稿で年末の仕事を納めることができず大変申し訳ございませんでした。来年はもっといっぱい描けるように頑張ります!

 

では、ひとまず自分納め、ということで。

 

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【1月】

去年は12月に関東から実家へと帰省したこともあり、1月は知らない間に知らない制度が出来ていた実家になんとか慣れなければならなかった。

不思議なもので、実家も長く離れていると、知っているようで知らない土地になる。異国に入国したも同然で、家の中には私が出国していた間に新しい法律が作られていた。それらの多くは、母が定めたものがほとんどであった。

大体のことを「知ら〜〜〜〜〜〜ん」となった。しかし、私は入国者。あくまで他人が作り上げてきた生活の中に溶け込まなければならぬのだ…そういう心持ちで生活のルールに従うことにした。そして、その国が離れていた十数年の間に荒廃してきてしまったことを知った。全員の生活の時間軸が狂っていたのだ。

それをどうにかこうにか良い方向に持っていけないかと頭を悩ませた月だった。

多くの人が、んなもんほっとけばいいよ、と思うことなのかもしれない。もしくは、そんなことに振り回されている私が滑稽に見えるのかもしれなかった。けれど、私は私でこういう性格の人間である自分と付き合ってきてしまった。

そうなった以上、母が疲れている姿を見るのは耐えかねるものがあったのだ。まあ、そのあと結局おぬしも好きにせい、に振り切れるわけであるが。

写真は自室の部屋の一角。部屋は物置と化しており、何より私が腹を立てたのは家族の着ることもしねえであろう大量の服がスツールに入れて私の部屋に置いてあることである。

 

私の部屋だぞ!私の部屋にまではみだすようなもの、管理しきれてないんだから捨てろ!

 

鬼のような断捨離をした。多分捨ててはならないものも捨てたが、なんでも置いておきたがる妖怪たちを無視してありとあらゆるものを廃棄した。私はこの時多分、一生分の他人の何かを捨てたような気がする。

なんとか整理した部屋、結局残った衣装ケース数個、でも壁は私のもんだ!人からもらった作品や、好きなものを飾って異国に居住を作り上げた。

 

 

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【2月】

何してたんだろう…

写真を見返しても、犬の写真が大半を占めており、その合間に人に会っていたような記録が残っていた。

去年は友人や先輩などが住む場所を変えることが多かった。私もそのうちの一人である。東から西へと私が移動したのと同じように、同じ方向へとやってきた人たちが周囲に多かった。そうなると、住む場所が変われば会う場所も変わる。会いやすくなったことで、足元が軽くなったようだった。

この写真は、京都に滞在制作に来ていた知り合いのお兄さん、そして前々職場で同僚であった友人と展示に見に行った時に購入したものだ。

 

ちょっと見に行きましょうよ、ぐらいのテンションだったのがいざ見に行ってみると、マティスの作品があまりにも良かった。

こういう美術館に行くと、他人と足並みを揃えて見るというのも大変で、大体会場に入ると散!!!!!という感じでバラバラに解散する。早く見終われば出口で待つか、もう一度自分の見たいところへ戻るか。逆もまた然り。

私はどちらかというと作品を見終わるのが早いタイプで、直感で良いと思ったところに戻ってじっくり見る、というタイプだ。まあ、タイプタイプと言っているがどんなタイプがいるかは細かく存じ上げませんが…あくまで私の場合は、である。

大きな美術館ということと、展示のメインがわかりやすいものというのもあり、その日はかなり人が多かった。あ〜この絵いいなあ、と足を止めた絵の前でじっくり眺めて踵を返した瞬間、一緒に来ていたお兄さんと激突しそうになった。なんならちょっと激突レベルではなく、顔を互いに引くぐらいの近さだった。

びっくりして思わず「ドラマなら今ので恋始まってんで」と言ったら、「やっすいドラマだなあ」と笑っていた。

ちなみに注釈しておくと、このお兄さんは私にしてみると親戚のお兄さんといったポジションの人である。友達みたいに話しかけてくるので、友達みたいに返すことにしている。そのあと、会話をするまでもなく、また解散。

 

美術館を出て、どの作品が良かった?という話題になった。

私たちが作品を一緒に見ていた時間はほぼなかったが、不思議と三人ともが良いと思った作品は一緒のものだった。

良いものって、いつどんな時に見ても良いってわかるんだな。そんなことに感動したのを覚えている。

 

作品めちゃくちゃ良かったな〜と言いつつ、私が買ったのはパウル・クレーの忘れっぽい天使であった。好きだからね。仕方ないよね。そんでなんでマイメロクロミとコラボしてたんだろう…可愛いからいいけど。

 

 

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【3月】

こんな調子で書いてたらいつ書き終わるんだ!?ちょっと短めにまとめていこう。

3月は大学からの友人の結婚式があった。久々に同期と集まり、私はマブと初めて二人で宿に泊まった。私が睡眠障害のおかげで全く寝ない(寝ることができない)ので、全然寝んやんけこいつと思わせていたらしい。マブも知らない間に結婚式を挙げていた。入籍したのは知っていたが、彼女のパートナーと食事に行ったらあっさり報告をされて笑ってしまった。いいよ、いいよ。あなたたちが幸せならそれで。

 

結婚式の出席確認がしっかり決まっていたにも関わらず、朝はコーヒーをキメたいマブが「近くにスタバがあるから行こう」と言い出した。

こういう時、私は割と遅刻をしたくないという気持ちが大きいのと心配性が発動する。マブは別に遅刻してもいいとは思ってはいない。思ってはいないのだが、なぜか絶対に間に合うという確信と自信を持っている。ほんの些細なことなのだが、それを垣間見る瞬間、スゲエな…と思っている。

でも、時計は見ないので、私が「あと五分ほどです」とアラーム係になる。世界は良くバランスが取れているものだ。

 

友人は美しかった。結婚式に行くたび、本当にこんなにも誰かの幸せを祝うだけの空間があるのだなと思い知らされる。

 

結婚式は主役が忙しいもの。その日世界で一番美しかった彼女と話す時間は少なかった。マブは新婦である友人が父親と入場してきた瞬間に泣いていた。はえ〜!!!と笑っていたが、私もその数分後には泣いていた。情緒育ちすぎである。

 

式が終わって同期と先輩と喫茶店に入った。喉がガスガスの先輩が煙草を吸っていて、まるで場末のスナックのようだった。久しぶりに会った先輩だったけれど、ものすごく面白い人で、京都で一番人通りが多いと言っても過言ではない道で、ヒールが脱げていた。

行き交う人の波の中で、立ち止まる先輩。思わず「シンデレラですか!?」と振り返って叫ぶと、「迎えに来てくれる!?こんな私でも!」片手にヒールを持った先輩がぴかぴかに笑いながら立っていた。いいシーンを見た…と思った。

 

 

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【4月】

2月と3月の記憶が薄いと思ったら、原稿に追われていたのを思い出した。

4月に同人イベントの参加を申し込んでおり、久々に原稿限界人になってしまった。来年はそんなことがないといいと思っている。イベント当日は、仲の良い人たちと集まって、お花見をした。みんなで同人誌を読みながらああでもないこうでもないと話しながら、ファミレスまで行ってとても楽しい1日だった。

ネットで知り会った人を、結構長い間友人と呼んでいいのかどうかと思っていた。けれど、もうここまで顔を合わせて他愛もない話ができるのなら、それはきっと友人と呼んで良いのだろうと思える時間があった。ここに集まっていたメンバーで、12月には合同誌を出すことになる。11月には作業をしながらお泊まり会をすることになる。

 

あなたは、大人になったら友達ができなくなるよ、という言葉を信じなくなる。

人に恵まれている。一概に優しいといった言葉では片付けられないけれども、それでもそれぞれが、それぞれの優しい形をした心を持っていて、それがやわらかくぶつかりながら身を寄せ合うことができる。それってとても幸せなことだ。

 

 

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【5月】

幼馴染とずいぶん前からマッツ・ミケルセンと写真を撮れる権利を得ていた。それが5月である。5月はイベントが盛りだくさんで、大学の同期たちとも遊びに行ったりしたのだが、私にとっての大事件はもう一つ起きていた。

大阪コミコン。映画、俳優好きは耳にしたことがあるであろう、海外の俳優たちが来日し、トークにサインに写真撮影会を行うイベントである。

マッツが来る…大阪に…!?それだけでも大騒ぎで幼馴染とチケットを勝ち取り、写真撮影の権利を得たのちに事件が起きた。

 

私が映画を観るようになったきっかけである「ロード・オブ・ザ・リング」でレゴラス役を演じていたオーランド・ブルームの突然の来日発表である。

オーランド・ブルームことオーリィはLotRがデビュー作である。エルフという美しい種族の一人を演じたオーランド・ブルームに私はすっかり心を奪われた。

オーリィが結婚した際は、泣きながらそれを喜び、離婚した際は友人が突然「ワンチャンあるで!!!!」と謎の励ましを送ってきてくれた。ねえわ。

確かにねえわ、だったのだが…合法でオーリィと写真が撮れる…?しかし、全ては金なのである。俳優と写真を撮る権利は、金で得なければならない。

 

長い長い付き合いの幼馴染、そして幼馴染の母にマッツ撮影終わりの翌日、真剣に説かれた。

一生で会えるかどうかもわからない人と、確実に会える約束が成されている。ずっと好きやった人やねんで?ハリウッド行って探してなんて無理やねんで?おんねんで?チケットまだあるで?

ごめん、ちょっと考えさせて…とトイレに入ったところでチケットを買った。だって、ずっと好きだった人だもん!会ったっていいよね!?ね!?

トイレを出て「チケット、買いました」と武士のような面持ちを構えた。

 

オーリィと私の邂逅はほんの数秒である。いざ目の前にすると言いたかったことが頭の中からすっ飛び、顔に見惚れるだけになった。気づいたらカメラマンの「レディー!?」という声が聞こえていて、エッと思っている間にオーリィのでかい手が私の肩をグン!と力強く引き寄せていた。そう、思っていたよりも強く。

出来上がった写真を見て私は爆笑することになる。明らかに前日に撮ったマッツとの写真と表情が違うのである。ぎこちない笑み。でも隙間を作ってはなるものかとオーランド・ブルームに体を寄せている女。キモすぎる。でも、本当に好きな人の前だと人間ってこうなるんだと思った。

取り繕うことなんて、好きの前では無理なのよ!

友人に写真を送ったら、「まるちゃん、首折れてね!?」と返事が来た。隙間を作るまいという無意識下の行動と、オーリィの抱き寄せ力が強かったことの結果である。

 

一生の宝物だ。すごくいい匂いがしたし、日本語のアリガト!が可愛かったこと、夢みたいな出来事だったなと思う。私が好きだと思う向こう側の人に出会える機会なんて、あと何度あるのだろう。できるかぎりそんな機会があればいいと願うけれど、世の中はそう簡単にはできていない。

私は奇跡の瞬間に出会えたのだ…辛い時は自分を「オーランド・ブルームと写真を撮った側の人間」として鼓舞している。どんな側だよ。

 

 

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【6月】

家にいる時間が増えて、去年よくやってたなあと思うのがネイルである。

元々、爪が柔らかいため、爪は長く伸ばせなかった。すぐに折れるからだ。それに、飲食店で働くことや指先が汚れるような仕事をしていたこともあって、ネイルというのは私には縁遠いものと思っていた。ところが、なんとなく家にいる時間があるな…と思った時に、指先を飾るのもいいのでは?というか、水仕事も増えたし、爪が割れるのを防げるのでは!?と思い立ち、ジェルネイルまで始めることになる。

 

爪を塗っているからとて、何か得をすることはない。けれど、自分を大切にできているという感覚があってとても好きなのだと気がついた。

こういうことを始め出すと、なんとなくやれるところまでやってみたくなるのが性分で、本当はパーツをつけてみたり可愛い柄を描いてみたりしたい。来年はそのバリエーションを増やすのも楽しいかもなと思う。爪が可愛いと元気が出るし、テンションが上がる。

 

いいじゃん、私元気じゃん。とも思えて、指先を飾ることは私の自己肯定感をバリッと上げてくれるアイテムであった。

6月、夏に近づくと私はどうも元気になっていく傾向にあるらしい。まあ、冬が苦手ということに最近気がついたので余計にだけれども…このくらいから自分を大切にするためのこと、をすごく考えていた気がする。

 

 

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【7月】

私のここ数年においてもかなり大きなイベントが起きた。新しい子犬、お出迎えである。

 

本当は違う子犬を譲渡会に見に行ったつもりだったのだが、サークルの柵に鼻を突っ込んで一人すや…と眠る我が家の子となった子犬が気になってしかたなかった。母は、あんたが面倒を見るのだからといった感じで、私があの子…あの子が…というのを横目で眺めていた。

保護犬は飼うまでに手続きが様々にある。ただ子犬を貰う・渡すのではなく、その子の一生を考えるのだ。みんなそりゃ子犬は好きだ。だって、可愛いから。可愛いから飼う。でも、可愛いからという理由だけでは飼えない大変さもある。保険の効かない犬たちの病気予防のためのワクチン接種。避妊手術、去勢手術。犬だって病気をする。だからこそ、渡す側の人も慎重になる。子犬が可愛いのは当たり前。でも、子犬たちは大きくなった後も、私たちの元で一生を過ごすのだから。

 

爆速で準備を整えた私の元に、一目惚れにも近い子犬がやってきた。

日記でも何度か書いたが、もうこの子犬、かなりのヤンチャで無邪気お転婆お嬢様に育っている。

雑種であるがゆえに、完成形がわからずいけるところまでデカくなりなさいよ…と思いつつ育てている。今でこそ生活のリズムを掴むことができたが、最初は自分の睡眠障害も相まって毎日シクシク泣く羽目になった。

でも、私が飼いたいと思ったのだから。そう思って生活を整えて、子犬のために先住犬との関係も気遣いながら、今の形ができた。

あまりのヤンチャっぷりに家族は彼女を叱るけれど、私は彼女がいなければどうなっていたのだろうと思う。

 

私の人生に犬がいなかったことはない。この異国に帰ってくる決意をしたのも、先住犬がいたからだ。

私にとってこの子は天使のような存在だ。無邪気で、話が通じなくて、何を考えてるかなんか一ミリもわらかないけれど、全身で感情と愛情を返してくれる。

毎日可愛いね、好きだよと言っている。ありがとう、私のもとに来てくれて。ずっと健康でいてほしい。先住犬もそう。ラブフォーエバー、犬たち。

 

 

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【8月】

なんかずっと原稿をしていた気がする。意外と外に出ていない…かも!?と思ったけれど、遠方から友人が遊びにきてくれていた。

コミュニケーション能力オバケ、と言う彼女だが人を喜ばせる天才の才を持っている。彼女のメインイベントは別にあったのだが、せっかく関西に来るならうちのご実家はいかがですか?と声をかけたら本当に来てくれることになった。本当に来るんだ…と誘いをした張本人のくせにかなり驚いていた。

彼女が手土産に持って来てくれたものは、写真の推しトレカケース、そしてイメージしたネックレス。あまりにも可愛いのですぐに着けるね!?と言って嬉々として着けた。

我が家に来たら近所を散歩しようね〜何もない田舎をさ〜!と話していた。本当に何もない上に真っ暗な田舎道をコンビニを目印に歩いた。どんなことを思っているのか、共通の話題を出しながら、これがこうでさ〜と彼女はビールを片手に、私はノンアルの缶を片手に散歩した。ほら、やっぱり大人になって友達ができないなんて嘘だよ。

彼女は私よりほんの少しお姉さんだ。

私が末っ子ということもあって、彼女は本当に歳の近いお姉さんのようでいて、友達で、笑顔が太陽のように眩しいとっても可愛い人だ。どこか自分と似ているのもあるだろう。そっくりでほんの少し違う鏡に映っている人を見ているみたいだ。

 

 

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【9月】

私の人生がほんの少し変わった月だった。

去年、仕事を辞めたあと、私には一通のメールが届いた。それが、オリジナルの漫画を掲載しませんか、という連絡だった。不安でたまらなかったけれど、こうなったことも、何かの縁なのだと全てに踏ん切りをつけて東から西へと飛んで帰ってきた。

私を見つけてくれた編集担当さん、きっとまた日記を見てくれているのだろう…見てくれているといいな…と思っているけれど、その人がいなかったら私は今の生活を選ぶことはなかった。

でも、私はその世界でまだまだ新人で、初心者で、赤子のようなもので、もう一度何かを勉強するように日々絵を描いて、自分の中から生まれてくるお話と向き合っている。それはとても大仰なものでも、大きな波でもないけれど、そっと誰かのお守りになるといいと思っている。

商業漫画家としてデビューをした。自分でも信じられなかったけれど、私が掲載をしていただいたのはFEEL YOUNGさんという私もずっと掲載された漫画を読み続けてきた雑誌だった。夢を見ているみたいだった。自分の描いた漫画が雑誌に載っていて、誰かの手に渡っていく。

 

同人誌を作っていても不思議なのに、私はこういう者です、と大きな名前が知っている人たちの中に並んでいた。いろんな人から読んだよ!と報告をもらったり、初めてのファンレターをいただいたり、日々泣いたり驚いたりすることがたくさんあった。というか、こんなに嬉しくて泣けるもんなんだな、と思うほどで。

 

友人のギャルから連絡が届いた。

知り合いが漫画を描いてるってどんな気分になるんやろうって思ってたけど、最高の気分。ちょっとずつ良い世の中にしていってくれ!という彼女らしいメッセージだった。そう、ちょっとずつ、私はまた社会に関わっていけるのだと知った。

人に恵まれている。担当さんもそうだったし、背中を押してくれたたくさんの人、家族、読んでくれた友人、そしていろんな人たち。私が私でよかった、またものをつくることができて、嬉しい。

 

写真は友人夫婦と花火をした日のもの。入籍したことを聞いて、中学生からの友人と、共通の趣味で定期的に会っていた友人。その二人が結婚をすると聞いて、とても嬉しい気持ちになった。私にお祝いできることがあるなら何でもするな、と思う。

私には漫画を描くという生活と、普段の日常がある。どんな人もそうなのだと思うけれど、私にとっては日常とものをつくることが地続きになったようにも思う。昔はどこか乖離していたけれど、自分の目が見ている世界がそのままお話につながっていくことがある。

 

その日は、ドンキホーテで花火を買い込み、打ち上げ花火やねずみ花火、色んな花火を買った。

打ち上げ花火に点火してくれたのは夫になった中学生からの友人。音が鳴るとは聞いていたが、その音が出た瞬間、私たちは信じられないほど無音になった。

あまりの音のデカさに心臓がひゅっとなったのだ。

大人になったからこそ、気にする花火で遊べる地域。そこは多分大丈夫なはずだったのだが、もう少し街中なら通報されていたのではないだろうか。

ねずみ花火があんなに走り回るものだとも知らず、どの向きにどう!?と騒いでいたら人の方向に飛んだ。ありえないほど大きな声が出て、打ち上げ花火の後も大笑いしたし、ねずみ花火の時も大笑いした。

 

こんなにはしゃぐことがあるなんてねえ、「久しぶりに童心に返ったわ」「こういう気持ち忘れんでおりたいね」来年もやろうね、と約束をした。大人になってからの約束は、叶えられやすくて、叶えられにくい。でもきっと多分、大丈夫だと思う。だって、その日が楽しかったから。

楽しいことって何回でもしたくなるよ、と思うのだ。

 

 

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【10月】

誕生日だった。誕生日がまだまだ好きで申し訳ない…。

いろんな贈り物があったけれど、MVPは関東に住む友人から届いたこの写真の左のわんちゃんの置物だ。商品名がマルという名前で、私の名前が丸い円(まるいまる)というご縁で、これだー!!と思った友人からサプライズプレゼントとして届いた。あまりの可愛さに私は転げ回り、いろんなところで見てくれー!と騒いだ。作家肖像もどうしようかな〜と考えていたところだったので、このマルの体と顔をいただくことにした。

去年も友人から犬をもらっている。右の子だ。一輪挿しのお犬様は中々活躍する場面がないのだけれど、私にはあの小さな可愛い花瓶がある、と思うと心がほんの少しだけあたたかくなる。今、二匹は隣同士で並んでいる。私の元に子犬がやって来たように、この子の元にもお友達がやって来た。なんて可愛いんだろう。

 

彼女たちが選ぶ贈り物は、とってもキュートで、愛らしい。付き合いが長くなってきて、私の好みが把握されていることもあるけれど、どんな風に想像をして子のプレゼントを選んでくれたのだろうと思う。私のことを思って考えてくれる時間が、誰かの中にあること。ちょっとだけ気恥ずかしくて、嬉しい。私も素敵な贈り物を出来ていたらいいな。

 


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【11月】

夏に遊びに来た友人が、ある日タトゥーを入れに行っているのをSNSで見た。

そのデザインは、私がもしタトゥーを入れてもらうなら、このスタジオだ!と決めていた人のものだった。ウワー!そんなことあるんだー!と思った勢いで、彼女に連絡をして、そのままタトゥーを入れる予約をした。今年の目標の一つにタトゥーを入れる、があった。色々世間の目だとか、不便さだとか、色んなことを言われるけれど、私には私を守るお守りが欲しかった。

 

彫ってもらうデザインは決めていた。

私の人生の中で欠かせない犬、そして、骨になることについて。骨と犬をいれて欲しいです、とメッセージを送ったら、作家さんも犬の存在には思うところがあったのか、とてもあたたかいメッセージが返ってきた。そういう気持ちをすぐに汲んでもらえることは、そうそうないことなのではないだろうか。この人にお願いしてよかった。

 

事前にデザイン画を送っていただいていたのだけれど、当日になって作家さんが「なんとなく目を優しくしてみたんです」と仰った。奇遇にも、うちの家に来た子犬は垂れ目の優しい目をしている。そっくりだな、とあまりの可愛さに心が弾んだ。これが私のお守りになるんだと思ったら、可愛いデザインがどうこうではなく、こういう可愛らしいものがぴったりだと不思議と思えた。

 

写真は友人の家の玄関で間仕切りに使われているなんかいい感じの布の前で撮った。なんかわからないけど玄関に垂れ下がっているね!と言ったら、間仕切りのつもりで…と言っていて、布が可愛かったのでその前で撮らせてもらった。いい感じになった。よくわからない布でいい感じになったね!

 


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【12月】

今月だ。今日が31日で振り返ると、精神的な波が上に下にと大忙しだった。季節鬱なんて便利な言葉があるが、それに近しいものかもしれない。

12月は贈り物をたくさんもらった。クリスマスと正月が一緒に来たぞ!などと言うことがあるが、まさにそんな感じで素敵な贈り物をたくさん形としてもらうことになった。そのそれぞれが、どれもこれも可愛くて嬉しくて、楽しくて、子どもの頃よりプレゼントもらってるなあ、と笑顔になった。

ただ、予定を詰めすぎたこともあって、自分の体力の無さ…というよりも衰えを感じざるをえなかった。

何事もバランスが大切よね、と思うのだけれど会える時に会える人と、会いたいと言ってくれる人と、会いたい人に会っておきたい!と思う己の強欲さ。

正直なところ、自分が好きな人たちに求められていることが嬉しいのだと思う。でも、きっとそういう人たちはしばらく会わなくても私のことをとても上手に扱ってくれるのだろう。

来年は自分が自分を管理できるようになりたい。いや、ならねばならない。そんな気がしている。

 

今私は日記を書きながら、エレファントカシマシを聞いている。

紅白歌合戦って、色々言われているけれど、歌の輝きをまっすぐ伝えてくれるから私は結構好きだ。毎年恒例なら、このあとは旧ジャニーズのカウントダウンライブを見るのだけれど、今年はお休みだ。これ…呼び方STAR TO ENTERTAINMENTの方がいいのかな…お許しください、とても好きな事務所なので。閑話休題

頑張ろうぜ〜!という宮本さんの歌声。そうね、頑張ってもいいかも。

今年はなるべく頑張りすぎないことを大切にしてきた。多分、このペースを崩さなくても大丈夫ではあると感じている。けれど、なんとなく来年は大変な一年になるんじゃないかと心構えする厄年である。用心するに越したことはない。厄払いの予定がたくさん入ってきていて、私は厄を払いまくって最強になる予定だ。

 

今年もなんとか生きた。

初めてのこともたくさん経験した。

来年もたくさん初めてのことを経験して、ずっと毎日に驚いていたいし、人を見ていたい。私の生活は豊かではなくてもいいけれど、私の周りにいる人たちには良いことがたくさんあると良い。でも、悪いことと良いことは半分こだから。

来年の私、12月にまたどんなこと言ってるか教えてね。

 

そして、日記をずっと見てきてくださった皆様。

今年もなんだかんだとはてブロ様に取り上げていただいて、記事をたくさん見てもらえる機会が多くあったように思う。ありがたいことです。こんな感じですが、たくさんの感謝と愛を込めて。

 

そして皆様の新しい一年が、柔らかく、美しい日々でありますように。

 

2023年、自分納めでした!あと一時間で今年終わっちゃう!