やわらかい

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犬の足の裏の話

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我が家、私にしてみれば三代目である、この擬態型柴犬の雑種。名前をチロという五歳なりたての犬である。

 

日記にも過去に書いたように私は犬がとても好きだ。一匹目は外飼いのペス。二匹目からは、室内犬モコナ

少し前にペスの話になって、私の幼い頃の遊び相手というのはもっぱらこのペスだったのであの子はこうだったよね〜とか話をしていたら、ペスは宝物のガムやおもちゃを小屋の下に隠すのが癖だったという話題が出た。

そういやそうだったな、と思いつつペスに思いを馳せながらお茶を啜っていたら、両親が言った。

「あんた、ペスの宝物を別のところに隠すから、ペスがない!ってよう大騒ぎしてたわ」

お茶噴き出すかと思った。

そんなことしてたっけ?!でもなんとなくしたような気がする。私は宝探しくらいの気分だったのだろうが、犬からしてみれば「宝がねえ!!!」になるのは間違いがない。

子どもって罪深いな〜。こういう悪戯好きの片鱗は今も私に残っている。

そういうわけで、外飼いの犬だった一匹目の犬は、私と触れ合うとなると野外一択で、洗う回数も少なかったし、匂いを嗅ぐと外で飼われています!みたいな匂いがする。野良犬の匂い。

くっせ〜と言いつつ、嫌がる犬をハグしたりしていた。

 

二匹目が家に来て、子犬の間から面倒を見ることになった私はそれはそれは大事に犬をお世話した。小さくてころころした生き物。

夢だった一緒に昼寝。一緒に寝る私たち。散歩、旅行。どんな時も常に一緒にいることができた。抱っこもできるサイズで、そこで初めて気がついた。

 

犬の足の裏から、何か香ばしい香りがすることに。

え!?知らない!!!なんで誰も教えてくれなかったの?!

小さな前足を引っ掴み、思わず息を深く吸い込んだ。ポップコーン…?でもない、だからといって焦げ臭いわけでもなく……なんだかやみつきになる匂いがするのだ。

母親に報告すると、母親も犬の足の裏の匂いを嗅いだ。香ばしい……世紀の大発見である。後に、これは当たり前であるということを知るのだが、なぜ誰も!?教えてくれなかった?!

 

それからは、度々眠っている犬の足の裏にはなをくっつけてスースーと息を吸うようになった。くさいわけじゃない。とにかく何か…香ばしい匂いがする。

前の愛犬は肉球もやわやわだったので、何かあると足の裏の匂いを嗅ぎに行った。けれど、前の愛犬はリラックスしているところを触りに行くとギュン!と前足で私の顔を押し除ける癖があったため、たまにしか触らせてくれなかった。

今の愛犬も同様である。足を触られることを極端に嫌がるのだ。幼い頃に骨折したこともあるのだろうが、何より大きな原因は、この犬、アレルギー体質である。

 

誰に似たのか……元々保護犬で一匹でいたところを保健所に引き取られ、保護犬活動をしているおうちで育てられた。

そのため、アレルギー持ちでちょっと身体が弱い。散歩を嫌がるのも、外に出ると身体が痒くなるのが原因だろう。そしてそのアレルギーは、足の裏にカビを生やすという最たる症状がある。

 

この香ばしさであるが、足裏の酵母菌が増えることにより、蒸し暑さなどでカビが発生するのだ。

 

犬の足の裏に…酵母菌…?!

焼きたて!!ジャぱん?太陽の手を持つ犬…?もしかしてすごいうまいパンを作れるのでは…?などと思うが、そんなわけはない。

病気だ。シンプルな。

 

でもいい匂いなんだよな、足の裏。

足を触る以外は好きにさせてくれる犬は、ひっついて体を擦り付けても頭と頭を擦り付けても、鼻に鼻をくっつけても、嫌がらない。

今日なんかは、リビングで転がる私の頭の上に頭を乗せて寝始めたくらいである。

 

ああ、犬の足の裏。

香ばしいこのかおり。

いろんな人に体感してほしいものである。